1.はじめに
ご安全に。
えー、今回はレビューと言うより雑感。自分の中で整理しときたいってのもあって、ポイントを一つに絞りました。
というのは表向きの理由で、ただただウイイレやりたいんです!!(笑)
さて、チームが掲げていた86ptという目標、無事未達。ゴル裏からはJ2残留?という気の早い残念な煽りゲーフラが掲げられる。そんな32節横浜FC戦。
まぁなんか拍手の方が多かったような気がしますんで、本当に一部の人が怒り狂ってたんでしょう。ただ振り返ってみると別に悪い試合ではなかったと思います。幾つかあった決定機。そこでしょうね。
あとはその機会をもう少し増やしたい所ですけど、その為には自分達の時間を作るか、相手の時間帯にどれだけアグレッシブに奪いに行けるか、という2点が重要。
そういう中で、ここ数試合はこれまで積み上げてきた攻撃の形がなかなか出せない。また、肝であるプレッシングがハマらない、といった点が課題になってました。
で、今回の横浜FC戦。その部分については、多少改善したんじゃないか?と思いました。
その上で、ゾーンディフェンスの外を利用しつつ、相手のカウンターを警戒しながら陣形を崩さずロングボールを多用する戦術を取った。
というのが、今節の内容でしょう。
なので、別に負けない戦術を取った訳ではなく、寧ろ相手をよく見て勝ちに来た。妥当な選択だったんじゃないでしょうか。
とは言え、まだ改善の余地があります。この試合のポゼッションは五分五分ですが、前半30分から後半20分くらいまではほぼ相手の時間帯。
何でこうなったかなぁと考えながら振り返ってみましたが、正直問題は1つではなさそうです。その中で、プレッシングの部分についてちょっと考えてみました。
2.プレッシングについて
1)自分たちのペースで試合を動かしていた時
まず、嚙み合せです。大宮3-4-3に対して、横浜は4-2-3-1。ボランチに松井ではなく、中村俊輔を起用してきました。
余談ですが、俊輔はやっぱり上手かったですし、視野が違いますね。空いたとこすぐ見つけてそこに出してきます。これが噛み合うと余計に怖いんじゃないかっていう横浜FC。強い。
さて、横浜FCは4-2-4の形でビルドアップします。この辺はおきくちゃんのブログを参照して見て下さい。
GKもビルドアップに参加する、大宮のプレスを無効化する典型的な形を取っています。という事でここでポイントとなるのが、五角形の外。
ここはフリーな状態で良いんですけど、どうやってプレッシャーをかけるのかというのが一つ課題です。ここで自由にさせてしまうと、ズルズルと侵入されてしまう。
ってことで、まず大宮の前線3枚はシンプルに敵GK、2CBに対してプレッシャーをかけます。と同時に、シャドーはそこからSBに対してプレスバック。しかし、これだと間に合いません。
そこから、今度はWBがプレッシングしてシャドーと挟み込むような形。WBが空けたスペースはDFラインがスライドして埋めます。
結果的には4-3-3みたいな形になりますが、久々にちゃんとこの形になった気がします。
試合全体でWBがプレスに行くイメージは常に持っていたと思います。ここ最近はWBが止められて中々前に出てこれないことが多かったですが、この試合はよく頑張っていました。
試合を振り返ると、こうやって全員が連動してプレスが出来ている時は、しっかりと回収して自分達の攻撃に転じる。或いは落ち着かせてビルドアップする事が出来ていたと思います。最後に画像を纏めときます。
2)ボール保持できなかった時間帯
でも、試合全体を通してみると、やはり劣勢に立たされることが多かった。その時間帯は中々ボールを回収する事が出来なかったですね。
色々な要因があると思います。攻撃も淡泊でしたし、ロングボールを放っても、放った先が孤立して回収出来ない、等。では、プレスには何か違いはあったのでしょうか。
横浜はビルドアップの形を4-2-4から2-4-4みたいな形にしてきます。具体的には両DHが下がって大宮シャドーの位置付近をウロつく感じでしたね。
これによって、シャドーがそこ(縦パス)を警戒しなければならなくなり、上手くプレスがかからなくなりました。
シャドーはCBとSBを見る役目があったと思いますが、下手に動くと簡単に五角形の中にパスを入れられる。
一方、DHばっかり見てれば当然敵CB、SBに行けなくなる。敵SBの立ち位置も真横くらい、イケそうでイケない。みたいな距離。
一方でDFライン。横浜の両サイドハーフ、エグかったですね。質で完全に負けてしまってましたけど、それ故に警戒して守らなければならない状態に陥ります。
結果的にCBからSBにパスが通ります。大宮シャドーが追いかけますが、ちょっと間に合わない。一方、WBもプレスがかけられていない状態なので、SBは簡単に前進する事が可能になってしまいます。
単純に前進するもヨシ。ですがこの時のポイントは、敵DHやCB等が加わって複数の選択肢を持ちながら攻撃をしかけられるという点。これでは大宮も中々奪うことが出来ない。
特にSHのスピードがネックで、そこに出されるだけでいきなりピンチ、みたいな状況が多々作られていました。
一方でボランチ、特に中村俊輔を経由した場合はこちらを揺さぶったり、縦パス、危険なエリアへのロングパス供給等、いやらしい攻撃を仕掛けてくる。
要は、横浜FCの方が位置、質を上手く利用しながら攻撃をしかけられていたという事じゃないかなと思います。
若干不安な面も感じられたボランチ俊輔ですけど、これがハマるとちょっと嫌ですね。柏戦辺りでもっと機能する様に下平監督頑張って下さい。
3)大宮はどうすれば良かったか。
やはり勇気をもってプレスをかけるという事でしょう。但し、90分通してずっとプレスをかけるのは無理です。行く時と行かない時があるのは当然。
とりあえず、行く時はしっかり連動する形が戻ってきました。多分、非公開練習中に修正をしてきたものと思われます。
毎回相手を見ながらしっかり整理さえすれば、そこまで不安はないのかなと思います。
じゃあ、行かないとき。或いは行けなくなってしまった場合。ここをどうするか。
例えば割り切って、ゾーン2でも5-4-1で構えて中盤の枚数を合わせちゃうとうこともありでしょう。ただ、その場合は1トップ脇の埋め方等を整理しなければなりません。
まぁそれは一案としても、残り10試合、これ全部勝つには試合中に上手く修正を図れるようにしなければならない。
それが出来ないと、今後も厳しい試合が増えてきてしまうかもしれません。
3.おわりに
とはいえ、大きな壁は乗り越えたかなと。サイドでシャドーとWBが連動した動きで崩す場面も見られました。
奪ってショート、又はロングカウンターに転じる局面も多々ありました。
このチームは前線の守備が大事だと何度も話してきましたが、ようやくそれも戻ってきつつある。ならば期待が出来る。
全体としては前回の記事で書いた古代イングランド方式感が満載でしたが、それくらいの割り切りも必要です。
あの戦い方についても、もう少し整理すれば武器にもなるんじゃないかと思ってます。
とにかく、まだ終わった訳ではないです。この引分けについてはそこまでネガティブになる必要もないでしょう。
横浜FC、めちゃくちゃ強かった。このまま昇格というのも現実味のある話になってきたんじゃないかと思います。
とは言え、そんな横浜FCも大宮に勝ち切ることは出来なかった訳です。なので、もっと自信をもって残り試合戦っていこうじゃないですか。
昇格云々、それは結果が出てからの話です。ラスト10試合、全員同じ方向を見て戦い抜きたいなと、俺は思います。
では、ご安全に。
以上
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大宮アルディージャ大好きな人たちの集い「大宮戦術談議会」という会を開いてます。上記がメンバーのブログです。戦術談議会と言っても結局楽しい飲み会です。大宮で語らいたい人。一人で見に来てて仲間が欲しい人。老若男女問いません。興味あるかたはお声がけ下さい。